大西茅布 Chifu Onishi 「人間の森のなかで」
このたび大西茅布による個展「人間の森のなかで」を、銀座 蔦屋書店のイベントスペースGINZA ATRIUMにて開催いたします。会期前半には岡本太郎現代芸術賞の大賞にあたる「第24回岡本太郎賞」を受賞した「レクイコロス」(コア部分)、後半には新作「今日の神話」をメインとした最新の作品群を展示いたします。
岡本太郎の遺志を継ぎ、次代のアーティストを顕彰する岡本太郎現代芸術賞(通称「TARO賞」)において、2020年度、史上最年少の18歳で、大賞である「第24回岡本太郎賞」を受賞した大西茅布。「レクイエム」と「コロナウイルス」を組み合わせた造語「レクイコロス」と題した合計60枚の絵画からなるインスタレーションを発表し、注目を集めました。
本展では、東京藝術大学在学中の直近半年間で描かれた作品を中心に、メイン展示を会期の前後半に分け、ご紹介いたします。会期前半には岡本太郎賞受賞作「レクイコロス」のコア部分、後半の7月21 日(木)からは岡本太郎の作品「明日の神話」へのオマージュの意味を込めた新しい組作品「今⽇の神話」の「昼の絵」「夜の絵」を展示。「昼の絵」には、独特な解釈による「真・善・美の完備した楽園」が、「夜の絵」には逆の世界として、巨大な武器を中心に生命と霊魂が翻弄される姿が描かれ、組作品として眺めると「昼」と「夜」を貫く存在として、岡本太郎の太陽の塔が描かれています。
後半のもうひとつの見どころは、組作品「森の愛」の「Part1—エロス—」「Part2—タナトス—」。会場中央の 天井から吊るされ、東京藝大の森に展示された最初の姿を再現いたします。大阪の高校生としての作品である「レクイコロス」から東京藝大生としての最新作「森の愛」以降までをご覧になることで、作者が「大阪から東京に来て作風がかなり変わった」と語るその画風の変遷もご鑑賞いただけることと思います。