ニューヨークを拠点に活動している山口歴。

固定概念、ルール、国境、境界線の越境、絵画の拡張などの「規定概念からの逸脱」をテーマとし「ブラシストローク（筆跡）」に焦点を当てて描かれた作品。絵画における常識とされるキャンバスという枠組みを飛び越え、ブラシストローク（筆跡）自体を作品にしている。
流動的な色の移ろいから、液体が飛散する直前の一瞬を捉えた作品にも見えるし、何かのエネルギーが収縮して一つの形にまとまった瞬間にも見える。いずれにせよ爆発的な何かを私たちに感じさせる。その筆の力強く奔放な様子、それでいてまとまった印象を抱かせる本作は、意味に捕らわれずとも、強く心を打つ作品となっている。

※最終日11/10（水）のみ16時迄