大西茅布 Chifu Onishi 「世界が沈む感じ」
この度ボヘミアンズ・ギルド・ケージでは大西茅布による個展「世界が沈む感じ」を開催いたします。
コロナ渦やウクライナ情勢、連日報道される社会問題の解決策も見出せず、また見出すことを諦めたかのような時代を取り巻く閉塞感。大西茅布はこの時代に生きる画家として、その空気感、時代の知覚的な重さを表現しようと努めます。約1年ぶりの個展となる今展では20点以上の新作を展示いたします。常に世代の中心として歩みを進めてきた大西茅布の進化する表現を是非ご高覧ください。
■ステートメント
近年、戦争が続いていて、兵士が一般人を傷つける。圧倒的な力の不均衡が残酷に傷つける。傷つけた側もその行為がデジタルタトゥーとなって、半永久的な報復をうける。解消不可能な、永遠の憎悪。 コロナ禍において、回復しない損害を受けた人がいる。陰謀論が渦を巻き、はけ口のない憎悪が燃え上がっている。 社会は高齢化が津波のように、どうしようもなく、若年層は二次元に逃避する。鷲づかみしようとする老人、払いのける若者。嫌悪のいがみあいが積み重なる。 絵の世界に、ギャラリーストーカーという群がいて、色気ある作品をつくる色気ある作家を、追いかけまわす。ギャラリーも、追われる作家も、追われない作家も、腐っていく。 手首を刻む。薬をガリガリ食う。タトゥーを入れる。就職活動を無視。日夜SNSで叫ぶ。タバコを吸う。肌がくすむ。視力が弱る。心が壊れる。学生時間を虚空に焼きつくす。 私が沈んでいく。世界も沈んでいく。浮上不可能な重石を積み上げられて沈んでいく感じがする。
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Bohemian’s Guild Cage
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